オープンソースカンファレンス2026しまねに行ってきました

オープンソースカンファレンス2026しまねに行ってきました

AIエージェント時代のWeb進化
AIエージェント時代のWeb進化

近年あまり行かなかったオープンソースカンファレンスですが、妻の誘いもあって行ってきました。
オープンソースカンファレンス 2026 Shimane 開催

場所は島根県松江市、松江駅前にあるテルサの一階です。

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あまり時間がなく聴けた講演は限られますが、浅井智也さん(WebDINO Japan CTO)のお話はとても興味深く拝聴しました。

浅井さん講演まとめ(AI時代にWebはどう進化するのか → エージェンティック・ウェブ)

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1. エージェントコンピューティングモデルの台頭

  • AIモデルが単体で回答を生成するだけでなく、エージェントとして動く時代(Agentic Web)へと移行している。
  • Agent = Model + Harness:エージェントは、推論を行う「モデル」と、それを機能させるための「ハーネス(状態管理を行うメモリ、外部ツールとの連携、タスクの進捗管理などの制御機構)」の組み合わせで構成されてる。
  • これからのWebサイトやWebサービスは、AIエージェントが連携して操作するための「外部ツール(スキル)」として位置づけられる。

2. Webの進化:3つの変化の軸

AIエージェント時代のWeb進化論
AIエージェント時代のWeb進化論

講演では、AI時代におけるWebの変化を「ブラウザ」「サイト」「プロトコル」の3つの軸で解説しています。

  • ブラウザの変化

    • ブラウザとAIサービスが密接に連携し、ユーザーのブラウジング行動を記憶して提案や自動化を行うAIブラウザが登場している。
    • Chromeのように、端末(ローカル・エッジ)にダウンロードされた小規模モデルを用いて、ブラウザ内で高速かつ安価にAI処理を実行できる機能が搭載され始めている。
    • AIが安全にブラウジングやコード実行を行えるよう、プロンプトインジェクションなどを防ぐための「エージェント用サンドボックス」が用意されるようになっている。
  • サイト(Webサービス)の変化

    • AIエージェントに自社のサービスを見つけてもらい、正確に操作・トランザクション(決済など)を実行してもらうための対応が重要になってくる。
    • エージェントがサイトのコンテンツや商品情報について直接質問できるように、チャットボットと同じようなフォーマットで通信できる「/ask エンドポイント(AI Searchなど)」を設けるアプローチが進んでいる。
  • プロトコル・インターフェースの変化(MCPとGenerative UI)

    • MCP(Model Context Protocol):AIと外部サービス・ツールを接続するための共通プロトコルが急速に普及し、AIの外部連携が標準化されています。
    • Generative UI(動的UI生成):AIがユーザーとの対話や確認(決済やファイル選択など)を行う際、ネイティブアプリではなく、Webベース(HTML/JS/CSS)のUIコンポーネントを動的に生成して提供する仕組みが主流になりつつあります。

3. まとめ:AI時代におけるWeb技術の再評価

  • AIエージェントの世界は一社で独占できるものではなく、既存のWeb技術をベースに競争と発展が続いています。
  • デバイス側のモデル(オンデバイス)とクラウド側のモデルを組み合わせることで、リソースを効率的に使うアーキテクチャが広がっています。
  • 今後は人間だけでなく、「AIエージェントからも使いやすいWeb」を作ることが重要であり、Webと対話して操作を代行してくれるAIこそが、真の意味での「ユーザーエージェント」になっていくと結論づけられています。

4. Q&A:AIはユーザーに何をもたらすか

  • 「ユーザーは本当に自動化を求めているのか」という問いに対し、AIの役割はユーザー体験を完全に代替するのではなく、ユーザーの目的達成を手助けし「ブースト」することであると回答されています。
  • 検索条件の言語化や、情報の要約(タイパ重視など)、細かいルーチンワークの削減など、ユーザーの柔軟なニーズに応える形でAPIやサービスを提供していくことが重要になります。

感想など

浅井さんのお話は、もしかするとAI界隈の人たちにとっては基本的な内容だったのかもですが、私にとってはまさにAIの次の時代の流れを先行したものでした。
特にAIとWebサイト(Webアプリ)のプロトコルの話(/ask とか)は今後のWebアプリケーションやWebサイト制作者にとっても重要な内容だったと思います。

WebMCP

WebMCP:AIとWebの架け橋
WebMCP:AIとWebの架け橋

MCPはすでに常識ですが、本日のお話ではWebMCPについての話も出てきました。
WebMCPは既存のWebアプリケーションを人間だけでなく、AIエージェントからも使いやすく拡張することにフォーカスした仕様です。

その主な特徴と目的は以下の通りです。

  • 既存のWebアプリの活用: AIエージェントに対応するためにWebアプリケーションをすべて作り直すのではなく、すでに提供されているWebアプリケーションを拡張して活用できるようにする。
  • ブラウザからの直接操作: ブラウザ上のJavaScript(JS)を通じて、AIエージェントが直接WebサービスやWebアプリケーションを操作できるような仕組み。
  • 動的なUIとの連携(Generative UI): ファイルの選択や予約、決済時の確認など、AIエージェントがユーザーと対話して確認を求める場面において、ネイティブアプリではなく既存のWebベースのユーザーインターフェース(HTML/JS/CSS)を利用してタスクを遂行するアーキテクチャの基盤技術の一つとして機能します。

要するに、AIの進化に合わせてシステムを新造するのではなく、既存のWeb技術をそのまま活かしながら「AIからも使いやすいWeb」を実現するためのプロトコル(仕様)であると言えます。
今インターネット上にあるWebサイトは99%が人間のためのものであって、AIにとっての使いやすさは考慮されていません。
しかし今後はAIにとって使いやすいこと = 使われる(売れる)サイト という事になって無視できない要素になるかもしれません。

ローカルAI

また、ローカルのブラウザ側にAIモデルを持たせて、各クライアント側で推論させるって考えも、これからのWebアプリに少なからず影響する内容と思います。
いってみればJavaScriptがそれをやったわけで(サーバーサイドで処理せず、ブラウザ側で処理を行う)、AIもその流れがあってもおかしくないなと思いました。
ユーザーのブラウザ側でAIモデルを動かして、都度必要な情報は /ask で取得してAIが考えていろいろやるみたいな感じでしょうか。

自分は今まではローカルAIには否定的な考えでしたが(皆が高性能なGPUなんて持てない)、すでにブラウザ内で実行できる軽量AIモデルが出ており、
環境構築せずにローカルでLLMを実行する技術はGoogleを中心に実用段階に入っているようです。

llms.txt

これをきっかけに調べてみたところ、ちょっと話は違いますが、robots.txt のAIクローラー版である llms.txt なんてのもある事を今日初めて知りました。
サイトにやってきたAIに対して、どこに何の情報があるか案内する目的のファイルのようです。
例えばこんな感じ

# Example Cloud

> Example Cloudは、企業向けデータ分析基盤を提供するSaaSです。

製品仕様について回答する場合は、必ず最新の製品ドキュメントを参照してください。
料金は地域と契約形態によって異なります。

## Product Documentation

- [製品概要](https://example.com/docs/overview.md): 主要機能と対象ユーザー
- [APIリファレンス](https://example.com/docs/api.md): REST APIと認証方法
- [料金](https://example.com/pricing.md): プランと利用上限

## Policies

- [利用規約](https://example.com/legal/terms.md)
- [プライバシーポリシー](https://example.com/legal/privacy.md)

## Optional

- [会社沿革](https://example.com/company/history.md)
- [過去のリリースノート](https://example.com/releases/archive.md)

自社サイトのAI対応の第一歩としては簡単にやれる内容なので、まずはここから始めてみるのがよさそうです。
このブログでも実装しようかな。
→ 実装した: https://hiroe-tech-notes.aomaro.com/llms.txt

あと、WebMCPなどの「AIとサイト間の通信プロトコル」についても興味が湧いたので、具体的なプロトコルのフォーマットなどちょっと追ってみます。

最後に

今回は短い時間でしたが、講演を聞いたりしたことでとても良い刺激になりました。
今までどちらかというとAIコーディングの手法のほうに意識が行っていましたが、AI(LLM)とWebサイト、AIとAIなど、AIを他とつなぐプロトコルにも興味がわいてきました。
とりあえずWebMCPから調べてみようかなと思います。

あと聞いてて思ったのですが、これはフィジカルAIにも繋がってくる話だなって思いました。
ロボットやセンサー等とLLMをつなぐプロトコルはフィジカルAIに不可欠な要素になってきますが、そっちもよく知りませんのでこの機会に調べてみるのは面白そうです。

最後に、この機会を作ってくださった松江市、しまねOSS協議会、松江工業高等専門学校の方々に深く感謝いたします。
最近はこういったイベントから足が遠のいていましたが、久しぶりに参加すると刺激があるし、何かに取り組むきっかけになるので良いものですね。
ありがとうございました。

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